妊娠線はクリームで消せる?できてしまった妊娠線の原因や、予防、ケアや治療方法を徹底解説!

2020/07/28

  • 妊娠線・肉割れ
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妊娠線や肉割れができると、クリームやオイルを塗ってケアを試みる方は少なくありません。しかし、自力でのケアには限界があり、スジがしつこく残ってしまいがちです。今回は妊娠線(肉割れ)の原因や自分でできる予防法をはじめ、できてしまった線のケア方法、治療方法について解説していきます。妊娠線や肉割れを解消したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

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監修
恵比寿美容クリニック
理事長 堀江 義明

ドクター紹介

妊娠線(肉割れ)とは

妊娠

妊娠線(肉割れ)とは、皮膚が急に引き伸ばされることによって、真皮が断裂してできるスジのことをいいます。皮膚の伸張に伴う断裂を「肉割れ」といいますが、妊娠中にできる肉割れについては「妊娠線」と呼ばれています。

妊娠線も肉割れも皮膚が引き伸ばされてできる線であることは共通しており、「ストレッチマーク」あるいは「皮膚伸展線条(ひふしんてんせんじょう)」と呼ばれる場合もあります。

ヒトの皮膚は、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」という3つの層で構成されています。一番外側の表皮には柔軟性があるので、皮膚が伸ばされてもある程度対応することができます。

一方、真皮は主にコラーゲンなどの繊維でできている硬い組織であり、皮膚の伸びに耐えることができなくなると裂けてしまいます。

妊娠線や肉割れの正体は、皮膚の伸張に伴う真皮の断裂痕であり、真皮層の断裂痕がスジとなって、表皮から透けて見える状態となっているのです。

妊娠線(肉割れ)の症状(色や形状など)

妊娠線(肉割れ)ができると、初めのうちは赤紫色のスジとなって現れることが特徴です。これは、皮膚の下の毛細血管の色が透けて見えることが原因です。赤紫色のスジは、その見た目から「ミミズ腫れ」や「すいかの模様」に例えられることが多いです。

時間の経過とともに赤紫色が退色していき、徐々に白い線が残るようになります。残ったスジは触ったときにデコボコとした凹凸が感じられることが多く、自然に消えることは稀です。

妊娠線(肉割れ)の初期症状は?

妊娠線や肉割れができる前や、でき始めには「初期症状」があるといわれています。人によって初期症状の程度や感じ方には違いがありますが、スジができる前には肌がカサカサに乾燥していたり、かゆみを感じたりすることが多いです。

中には皮膚がピンと張ったような感じがするという方もいますが、これらのサインがあれば妊娠線(肉割れ)の初期症状かもしれません。皮膚にこのような異変を感じた場合は、注意深く観察してみましょう。

また、皮膚にうっすらと白い線が見えると感じるときは、すでに軽い断裂が生じている可能性があります。通常は先に赤紫色のスジが現れますが、軽い断裂であれば薄く白いスジとなって見えることがあるので、何か違和感があったときは明るいところでよく確認してみてください。

妊娠線(肉割れ)の原因

妊娠線(肉割れ)は真皮が断裂するというメカニズムによってできますが、そもそもどのような原因で皮膚が裂けてしまうのでしょうか?次に、主な妊娠線や肉割れができる原因として、知られていることを整理していきます。

急激な体型変化(過度なダイエットもしくは肥満)

妊娠線や肉割れができる代表的な原因として、急激な体型の変化が挙げられます。妊娠中には赤ちゃんの成長に伴いお腹が大きくなってくるので、皮膚が引っ張られて真皮に断裂が生じやすくなります。

さらに、妊娠時には太りやすい状態となるため、体の各所に脂肪がつき、妊娠線(肉割れ)ができることは珍しくありません。

また、思春期や10代の方で太りやすい状態にあるときは、体重の急増によって肉割れができてしまいやすいです。逆に、急にやせたときにもスジができるケースはあるので、短期間に体型が大きく変わらないように気をつける必要があります。

妊娠線(肉割れ)ができるのは、妊娠中に限ったことではないのです。

ホルモン分泌の変化

妊娠中や思春期には、「糖質コルチコイド」と呼ばれるホルモンの分泌が増えるといわれています。

糖質コルチコイドには、線維芽細胞(せんいがさいぼう)というコラーゲンを産生する細胞の働きを低下させる作用があります。糖質コルチコイドの作用によってコラーゲンが減ると皮膚の弾力が低下してしまうため、皮膚の断裂が生じやすい状態となります。

つまり、妊婦さんや10代の若い世代の方に妊娠線(肉割れ)が生じることが多いのは、ホルモン分泌の変化による影響を受けているためという見方もできます。

成長(筋肉の発達など)によるもの

思春期の子供では、成長に伴って肉割れができる方もいます。思春期の女の子で胸が急に大きくなった場合には、胸に肉割れができることがあります。成長に伴い身長がグンと伸びると、ふとももやふくらはぎに肉割れができる場合もあるのです。

また、部活動などで運動量が増え、急に筋肉が鍛えられることが原因で皮膚が伸張され、断裂が生じる方もいます。このように、脂肪や筋肉、身長などの変化に皮膚が耐えられなくなったときにも肉割れが生じてしまいます。

血行不良によるもの

体の血行が悪くなると、皮膚に必要な栄養素が送り届けられないために、皮膚の弾力が失われることがあります。長時間同じ姿勢でいることが多かったり、運動不足であったりする方は、それに伴う血行不良が妊娠線(肉割れ)の一因となるケースがあるのです。

妊娠線(肉割れ)はいつからできる?

妊娠線ができやすい時期

妊婦の方の場合、妊娠5〜6ヶ月頃からお腹が大きくなっていきます。この時期から皮膚は引っ張られ始めるため、皮膚が避ける可能性が出てきます。ただ、妊娠線(肉割れ)が“いつからできるか”ということに関しては個人差があり、厳密に示すことはできません。

比較的早い段階からスジができる方もいれば、臨月に入ってからスジができる方もいます。基本的には、お腹が大きくなるほど皮膚の伸長が強くなり、真皮が裂ける可能性が高まるということになります。妊娠中にお腹が大きくなってきたら、ときどき肌の状態を確認してみると良いでしょう。

妊娠線(肉割れ)ができやすい場所は?

妊娠線や肉割れは、基本的に脂肪がつく場所に生じやすいです。体重が増えることによって脂肪がつき、皮膚が伸長されるためです。以下に、妊娠線や肉割れができやすい場所をまとめていきます。

お腹の妊娠線(肉割れ)

お腹は妊娠線ができやすい部位の代表例でしょう。「妊娠線といえばお腹」というイメージをお持ちの方も多いはずですが、実際にできる頻度は高いです。妊婦の方のお腹がふくらんでくると、特に恥骨から下腹部にかけてスジができやすいです。お腹のスジは縦方向にできることが一般的となっています。

胸の妊娠線(肉割れ)

妊娠すると乳腺が発達するため、胸が大きくなります。それによって、妊娠線や肉割れは胸にもできやすくなるのです。乳頭を中心にスジが広がる場合や、胸の下半分だけにできる場合など、人によって線の現れ方はさまざまです。

お尻の妊娠線(肉割れ)

体重が増えるとお尻にも脂肪がつくため、妊娠線(肉割れ)ができることはあります。お尻に線ができても自分の目では確認しにくいので、時間が経ってから気がつく方もいます。腰のあたりや、お尻の外側など、できる部位には個人差がありますが、特にお尻の下側は見逃しやすいです。

脚の妊娠線(肉割れ)

ふくらはぎやふとももなど、脚も妊娠線(肉割れ)ができやすい場所として挙げられます。ふとももの内側や裏側などは自分で確認しにくいため、見落としやすい部位となります。

二の腕の妊娠線(肉割れ)

腕の中でも特に脂肪がつきやすい二の腕も、妊娠線(肉割れ)ができやすい場所です。毎日のように鏡で腕を見ていても、二の腕の裏側に線ができていると気がつきにくい場合があります。二の腕の妊娠線(肉割れ)では、ノースリーブの服が着られないなどの制限が生じることもしばしばです。

このように、妊娠線(肉割れ)ができやすい場所はある程度決まっています。これらの部位に赤紫や白のスジができていたら、妊娠線(肉割れ)である可能性を考えましょう。

妊娠線(肉割れ)ができやすい人、できにくい人

ウエスト

同じように妊娠を経験しても、いくつものスジがまだら模様になってできる人もいれば、スジが1本もできない人もいます。つまり、“スジのできやすさ”には個人差があるのです。

以下に、妊娠線や肉割れができやすい人、できにくい人の特徴にはどのようなものがあるのかお伝えしていきます。

■妊娠線が『できやすい方』の特徴

まずは妊娠線ができやすい方の条件について整理します。次の特徴に当てはまると感じる場合は、特にお肌の状態を念入りに観察しておきましょう。

経産婦の方

過去に妊娠と出産を経験したことのある経産婦の方では、初産の方と比べて子宮が伸びているため、お腹が急激に大きくなることがあります。したがって、2人目以降の子供を妊娠するときは、スジができやすい人の条件に当てはまります。また、1人目の妊娠、出産時にできたスジに加えて、新たなスジができることで目立ちやすいという側面もあるようです。

双子、三つ子などの多産児の妊婦の方

双子の場合は双胎、三つ子以上の場合は多胎妊娠といいますが、一般的な妊婦さんと比べてお腹が大きくなる傾向にあります。2人以上の赤ちゃんがお腹の中にいるので、お腹が大きくなるのは自然なことですが、多産児の妊婦さんでは産後に線が残って悩んでしまう方が少なくありません。

高齢出産の方

近年、女性の社会進出や晩婚化の影響により、35歳以上で出産を経験する方も増えてきました。年齢を重ねると、皮膚の潤いや弾力が減少していくため、皮膚の伸長に耐えきれずに断裂する可能性が高まります。個人差もありますが、高齢出産の方は妊娠線ができやすいと考えておきましょう。

小柄な方

小柄な方では皮膚の表面積が少ないために、妊娠によって皮膚が伸びる余地も減ってしまいます。もともとの身長や骨格などから、自分が小柄だと感じる場合はより注意が必要になります。

乾燥肌の方

妊娠中には皮膚が引っ張られて薄くなるため、さらに肌が乾燥しやすくなります。また、ホルモンバランスの変化によって皮脂が減り、カサカサした状態になるという側面もあります。もともと乾燥肌の方では、さらに柔軟性が損なわれることから、妊娠線(肉割れ)ができやすい状態となります。

■妊娠線が『できにくい人』の特徴

妊娠や出産を経験してもスジがほとんどできない方もいます。妊娠線ができにくい方には、どのような特徴があるのでしょうか?

初産婦の方

初産の妊婦さんでは、経産婦さんと比較すると子宮が伸びにくいです。お腹が大きくなりにくいことから、初産婦さんでは妊娠線(肉割れ)ができるリスクが低くなるといえます。

若い妊婦の方

年齢が若い妊婦さんであれば、肌の潤いと弾力があるため、柔軟なお肌が保たれています。若ければ必ずしもスジができないというわけではありませんが、少なくとも線ができにくい条件の一つとしては挙げることができます。

大柄な方

体が大きな方では、縦にも横にも皮膚が伸びる余地があるため、そうでない方と比較して妊娠線ができにくいといわれています。胎児の大きさは体型とは関係がないため、大柄な人の方が真皮の断裂が起きにくくなるのです。

産後からでは手遅れ?妊娠線(肉割れ)の予防法4選

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出産後に慌てて妊娠線を消そうと思っても、真皮に断裂ができた状態ではなかなか元に戻すことはできません。したがって、妊娠中からできる予防を実践していくことが望ましいです。次にご紹介する4つの予防法を参考にしてみてください。

妊娠線予防クリーム・オイルで保湿ケア

妊娠線を予防する目的で販売されているクリームやオイルがあります。これらのアイテムを活用し、日頃から肌の保湿を心がけることで、皮膚を柔軟に保つことができます。お腹や脂肪がつきやすい部位を重点的に保湿してみてください。

体重管理

妊娠の有無にかかわらず、体重が急増すると皮膚が伸長に耐えられなくなります。日頃から体重を測定する習慣を持ち、自己管理していくことをおすすめします。

また、妊娠中であっても可能な範囲で運動を心がけることが大切です。妊娠中に激しい運動やダイエットなどは行ってはいけませんが、軽い散歩などを通して、消費カロリーを増やせるように工夫していきましょう。

食事、栄養の見直し

食事量が多すぎたり、高カロリーな食事をとっていたりすると、過剰に脂肪がつく原因になってしまいます。また、バランス良く栄養を摂取することも、妊娠線(肉割れ)を予防するためには重要となります。コラーゲンを含む食品をはじめ、コラーゲン生成を助けるビタミン、ミネラルの摂取を心がけると、弾力のあるお肌をサポートすることができる可能性があります。

さらし、ガードル、コルセットで皮膚の負担を減らす

お腹の妊娠線を予防する目的で、さらし、ガードル、コルセットを活用することも可能です。これらのアイテムでお腹を支えると体も楽になりますし、皮膚が引っ張られる状態になることを防ぐ助けとなります。締め付けが強すぎず、妊娠後期に入ってからでも使えるようなものを選びましょう。

妊娠線(肉割れ)はクリームやオイルで消せる?

様々なコスメ

妊娠線や肉割れができると、クリームやオイルを使ってケアを試みる方は多いです。クリームやオイルだけで線を消すことは難しいですが、さらにスジが増えることのないよう、予防的な意味で使用していく分には効果が期待できます。

妊娠線(肉割れ)をクリームやオイルで保湿ケアする際に含まれていると良い成分

クリームやオイルを使ったケアでは、肌の潤いと弾力を高めることが目標となります。コラーゲンやヒアルロン酸、セラミドなどの保湿成分が含まれている製品であれば使用に適しています。また、ホホバオイルやアルガンオイルなど、保湿力がある成分を使用しているアイテムも視野に入れてみましょう。

できてしまった妊娠線(肉割れ)のケアと治療

一度できてしまった妊娠線(肉割れ)はしつこく残ってしまいがちですが、自宅でできるケアや、病院で受けることができる治療があります。スジができても諦めず、次にご紹介する方法から自分に合ったものを探してみましょう。

■自宅でできる妊娠線のケア

一般的に自宅でできる妊娠線(肉割れ)のケアとして実践されている取り組みはいくつかあります。代表的なセルフケアの方法と注意点についてお伝えしていきます。

妊娠線ケアマッサージ

妊娠線や肉割れに対して、マッサージを行う方もいます。マッサージを行うことで、新陳代謝を活発にするという考え方に基づいて実践されています。

ただし、強い力加減で実施してしまうと内出血や血行障害などのトラブルにつながることがあります。かえって状態が悪化することのないよう、やり方には注意が必要です。

保湿性の高いクリームやオイルでアフターケア

妊娠線や肉割れができてしまったあとで、クリームやオイルを塗っても、線が消えることはありません。しかし、肌が乾燥するとスジが目立って見えることがあるため、それを防ぐという意味は効果が期待できます。

なお、クリームには水分と油分が含まれているので、肌なじみが良いことが特徴です。一方、オイルは保湿力が高く、さらに肌との摩擦が減る可能性があるという利点があるので、使い分けてみてください。

ただし、クリームやオイルでのケアによってスジを完全に消すことは難しいため、限界があるととらえておきましょう。

■クリニックでできる妊娠線(肉割れ)の治療

「セルフケアでは妊娠線や肉割れが治らない」と諦めている方は、クリニックでの治療も視野に入れてみてはいかがでしょうか?いくつかの治療法がありますので、特徴をお伝えしていきます。

妊娠線(肉割れ)のレーザー治療

美容医療でたびたび用いられるレーザー治療は、妊娠線(肉割れ)の改善を期待する目的でも使用されています。熱刺激を活用した治療法であり、コラーゲンやエラスチンなどの産生を促すことができます。ただし、レーザーでは効果が得られない方もいることや、やけどのリスクがあることについてはあらかじめ理解しておきましょう。

妊娠線(肉割れ)の炭酸ガス治療

妊娠線(肉割れ)が生じている部位に炭酸ガスを注入することで、真皮の代謝を高め、皮膚の再生を図る治療法です。炭酸ガス治療では真皮に直接働きかけることや、やけどのリスクを伴わないことなどが強みです。比較的デメリットの少ない治療法ですが、極細の針を使ってガスを注入するため、痛みを感じる方もいらっしゃる場合があります。

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