妊娠線がかゆい!かゆみの原因と3つの方法対策

2020/07/22

  • 妊娠線・肉割れ
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妊娠線は真皮や皮下組織が断裂してできたものなので、傷とさほど変わりません。そのため、傷にかさぶたができるとかゆみが出るように妊娠線の断裂部分にも同様のかゆみが現れます。これが妊娠線のかゆみの原因の1つです。

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監修
恵比寿美容クリニック
理事長 堀江 義明

ドクター紹介

妊娠線にかゆみがあるのはどうして?

妊娠中は妊娠を維持して赤ちゃんを育てるために様々なホルモンが体内に分泌されています。そのためホルモンバランスが崩れており、その影響で肌がデリケートになっています。特に、妊娠中は大量にエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが分泌されています。エストロゲンは、肝機能にも影響を与えていて、エストロゲンが増えると肝機能が低下して胆汁が滞りやすくなります。

妊娠線が現れるのはお腹が大きくなる5~7ヶ月頃が多いのです。その時期は、子宮が肝臓を圧迫することも手伝って滞った胆汁酸が皮膚組織に刺激を与えかゆみが強くなってしまうそうです。

エストロゲンと共に妊娠中にかゆみの原因となるのは、「コルチコステロイド」という副腎皮質ホルモンです。コルチコステロイドは弾性線維を作る繊維芽細胞の増殖を抑える作用のあるホルモンです。妊娠中はコルチコステロイドが増えてしまうため、皮膚は薄く、硬くなってしまい、ちょっとした刺激でもかゆみを引き起こしやすくなってしまうのです。

かくのはNG!

妊娠線のかゆみに耐え切れずについついかいてしまうこともあると思います。少しくらいなら問題ありませんが、血が出る程かいてしまうと皮膚が傷つき色素沈着が起こる可能性があるので注意が必要です。

産後妊娠線は徐々に白っぽくなっていきますが、その周囲に色素沈着が残ってしまうとかえって白い妊娠線が目立ってしまう可能性があります。また、妊娠中は「コルチコステロイド」という副腎皮質ホルモンの影響で、肌のしなやかさが失われて表皮が固くなっています。

かゆいからといってかきむしってしまうと、その下の真皮や皮下組織などの伸縮性の悪い部分にダメージを与えてしまい、そこから断絶し妊娠線ができてしまうリスクが高くなります。皮膚はちょっと位の傷であれば自然に治癒しますが、妊娠中に多く分泌されている「コルチコステロイド」は皮膚の再生能力も抑制してしまうので、痕になってしまいがちです。

かゆい部分をかくことは新たな刺激として余計にかゆみを増してしまい、妊娠線ができるリスクを高めてしまうので、できるだけかかないよう注意しましょう。産後に妊娠線の跡を目立たなくするためにも、かゆみ対策をしっかり心がける必要があります。

かゆみ対策1.クリームでこまめに保湿しマッサージで柔軟な皮膚をつくる

皮膚が乾燥するとかゆみが悪化する原因になります。また、皮膚が乾燥することで刺激に弱くなり、再生力が低下してしまいますので、とにかく妊娠中は積極的にボディの保湿をしましょう。

クリームやオイルなどを使って朝・昼・晩と頻繁に保湿してあげることで、皮膚表面の水分と油分が補われてバリア機能が回復し、外部刺激からの刺激に強い皮膚が作られるようになります。また、結果的に下着などの衣類との擦れなどでも痒みが生じにくくなります。

クリームやオイル以外にも入浴時に保湿成分の入った入浴剤を使うのも良いでしょう。水分で潤ったしなやかな皮膚になるとかゆみが抑えられるだけではなく、妊娠線もできにくくなるので妊娠線予防にも効果的です。

かゆみを予防するためにも使用するクリームは添加物の配合がない妊娠線クリームなどを選びましょう。妊娠前に使用していた基礎化粧品やローション類はアルコール成分が入っているものもあります。アルコールには消毒作用とともに脱脂作用があり、皮膚表面の必要な皮脂をとってしまうことがあるので、アルコール成分が入っているものは避けるようにしましょう。

かゆみを防ぐためにも妊娠線を作らないようにするためにも保湿は大変重要なことなので、毎日継続して妊娠線のできそうな場所を中心に毎日継続してケアしましょう。

かゆみ対策2.肌に優しい素材を身に着ける

妊娠中の敏感になっている女性の肌は、ほんのちょっとした刺激でも過敏に反応をしてしまいます。

肌に触れるものが擦れるといったことでもかゆみが引き起こされてしまうので、敏感な肌に刺激を与えないように、摩擦力が大きい化学繊維のものは避け、肌に直接触れる下着や服の素材に気をつけましょう。シルクやコットンなどの自然素材のものは、摩擦力が小さいことから擦れ合いにくいためにかゆみが生じにくくなります。また、縫い目の部分が肌とこすれて刺激となってしまうケースもあるので、できるだけ縫い目のあまりないものを選びましょう。

他にもゴムやシャーリングなどの締め付けるものやレースなどの飾りも肌を刺激してしまうので注意が必要です。また、洗濯を行なう際は柔軟剤を使うと衣類の摩擦力を抑えることができるので、使用することをオススメします。

かゆみ対策3.刺激の少ないボディソープを使用して身体を清潔に保つ

妊娠中は体温が上がるため汗をかきやすくなります。汗の塩分は皮膚を刺激してしまいますし、皮脂、ホコリなどで体が汚れていると雑菌が繁殖する可能性があり、かゆみを引き起こす原因にもなりかねません。

ムレてしまうこともかゆみの原因なので、かゆみを防止するためにも汗をたくさんかいたら入浴やシャワーを浴びたり、下着を替えたりして体を清潔に保ちましょう。

また、身体の脂汚れをスッキリと落とすボディソープは合成界面活性剤などの刺激の強い成分が含まれている可能性があります。そういった成分は肌につくとかゆみなどの刺激を引き起こす可能性が高いです。妊娠前は特に支障がなくても妊娠によって敏感になった皮膚には悪影響を及ぼしてしまうことも多いので注意が必要です。低刺激といわれる弱酸性のボディソープも様々な合成素材を添付していることも多いです。かゆみがひどい場合には天然素材の石鹸を使うか、ボディソープを薄めてから使うようにしましょう。熱いお湯も皮膚を刺激してしまいますし、体温が上がることでかゆみがひどくなってしまう場合があります。

38~40℃くらいのお湯で優しく洗うようにしましょう。シャワーなどを浴びた後は肌が乾燥しやすくなるので、保湿も忘れずにしっかりしましょう。妊娠中につける腹帯も毎日清潔にし、マタニティウェアには体を締め付けない通気性のよい素材のものを選ぶことで、汗をかいてもサラッとした状態をキープできるので快適に過ごせます。

かゆみ対策4.爪を短く整える

かゆい部分をかきむしるとそれ自体が刺激になってしまいさらにかゆくなってしまうのですが、その上、爪が伸びていると皮膚の表皮組織を傷つけてしまいよりひどいかゆみを招くことになります。また、寝ている間に無意識でかいてしまい、朝起きると服が血だらけというケースもあるので、妊娠中は爪をできるだけ短くカットし、丸く整えておきましょう。かゆみを感じると爪でついついかいてしまいがちですが、爪で肌が傷ついてしまうとそこから雑菌が入ってしまい、化膿や湿疹を作ってしまうこともあります。

かゆみを抑えるのには薬を使うのが一番手っ取り早いのですが、市販のかゆみ止めの中には経皮吸収によって胎児へ影響が生じる可能性があるので注意が必要です。自身で対処する場合は、かゆい部分を氷水や塗れたタオルで冷やすことで、かゆみが軽くなる効果があるのでオススメです。かゆくてしかたがないときは、つめを立てず、指の腹でポン、ポン、と軽くたたくようにしましょう。

かゆみ対策5.マッサージで柔軟な皮膚をつくる

健康な皮膚はしなやかで弾力に富んでいて柔らかくなっています。しかし、妊娠中の皮膚はホルモンの影響で固く弾力がなくなりがちなので、かゆみなどの刺激に強い健康な皮膚を作り保つためにもマッサージが効果的です。

妊娠がわかったら5ヶ月頃からクリームを使って、体の妊娠線ができやすいおなか、大腿部、乳房などを中心にマッサージケアを始めましょう。マッサージをすることで適度な刺激となり、皮膚の血行が促進され、皮膚の断裂やかたくなるのを防ぐことができ、皮膚の再生力も高めることができます。

マッサージする力が強すぎると刺激が強くなってしまい逆効果になるので、クリームやオイルなどを使って手のひらで円をかくように、もしくは下から上へ優しくマッサージするようにしましょう。

かゆみが治まらないときは?

妊娠線のかゆみはどれだけ対策をしても、完全に防ぐのはかなり難しいものです。どうしてもかゆみを我慢できなければ、早めに産婦人科の医師に相談するようにしましょう。

肌に湿疹などは出ていないのに、全身がムズムズしたりチクチクと刺されるようなひどい強いかゆみがある場合には、「妊娠性掻痒症」という皮膚の病気である可能性があります。「妊娠性掻痒症」は、妊娠中期から後期にかけて起きやすく、主にホルモンバランスの崩れが原因で発症します。しかし、稀に慢性腎不全や肝疾患、糖尿病、悪性リンパ腫などの重篤な病気が隠れている可能性もあるので注意が必要です。妊婦さんのお腹の中にはもちろんですが命が宿っています。これぐらい大丈夫と我慢せずに迷わず産婦人科の医師に相談しましょう。

ひどいかゆみは薬で軽くすることも可能です。どうしてもかゆみを我慢できなかったり、かゆみトラブルが長引く場合には医師と相談の上、お腹の赤ちゃんに影響のないかゆみ止めなどを処方してもらいましょう。

先ほども説明しましたが、市販のかゆみ止めの中には経皮吸収によって胎児へ影響が生じる可能性があるものもあるので、必ず医師に確認をとってから使用してください。

まとめ

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このように妊娠線のかゆみは仕方のないことです。どれだけ対策をしても完全に防ぐことは難しいといえます。どうしてもかゆみを我慢できない場合は早めに産婦人科の医師に相談しましょう。

市販のかゆみ止めの薬もありますが、妊娠中に使用しない方がよいものもあるので、病院で処方してもらうことが一番安全です。妊娠線のかゆみは、遅くても出産後には治まるものです。妊娠中は大変かもしれませんが、妊娠線を防ぐためにもしっかりとかゆみ対策をして乗り切りましょう。

「妊娠線のかゆみ」について
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